成底ゆう子(キングレコード) 大阪・シャングリラで結歌(ゆんた)ツアーライブ開く
成底ゆう子が2013年12月25日、大阪市北区のライブハウス、シャングリラで東京会場に次ぐ、結歌(ゆんた)ツアーライブ「ありがとう2013 成底ゆう子とカナミネケイタロウ」を開き、笛もギターも、さらには歌もこなすという三線(さんしん)奏者のカナミネケイタロウとコラボして、未発表曲など全16曲を歌い、集まった人たちを喜ばせた。
今年5月に出したシングル「伝え歌」を出した成底は、この1年、それを歌い続けてきた。そこで歌ったのは家族のつながりの大切さだった。実家の縁側で、今年10月に亡くなった祖母を囲んで家族全員と撮った記念写真は、そのままジャケット写真として使った。
ここでも歌われているように成底の歌は一貫して、家族との強いつながりである。ライブのタイトルにもなった<結歌>は、まさにそれを示すものだった。
ライブ後半では、来春にリリース予定の「いつでも帰っておいで」を早々と披露した。これは18歳になると大学に進学したり、就職するにしても島を出ていかなければならない子どもを想う親の切ない気持を歌っている。
いわゆる<島の卒業式>とも言われている毎年、恒例の行事なのだが、そこには家族が離れ離れになって暮らさなければいけない寂しさが滲んでいる。
デビューシングル「ふるさとからの声」が、ひとり上京して寂しさのあまり泣いて父親に電話する彼女に「自分の信じる道を進め」と返す父との家族愛を歌ったが、「いつでも — 」はそれのアンサーソングのようなものだ。
成底は沖縄県石垣島の出身である。島の人たちは一様に家族のつながりが強い。
「島は小さくて、島の外とも付き合いがなく、村の人たちや家族に育てられて大きくなっていきます。それだけに人とのつながりが大好きなんです」と成底。
5月に訪ねた東日本大震災の被災地への想いも、それに似たものがある。実は石垣島にも被災地から移住してきている人たちが住んでいるというのだ。同じ島民のふる里を想って、何か出来ることはないのか、と考えてきたが、2年間が過ぎてしまった。
そんな時に行った石巻市内の日和山公園の高台から見た風景や吹いていた風が、歌を作らせた。
それが12月に出来たばかりという「日和山公園」。ライブではアンコールに応えて歌ったラストソングとして披露した。
「復興は進められているが、その気配が感じられず、あしたは見えてこない」(成底)といった状態に、心を傷め創作を思い立ったという。
ライブではオリジナルに交じって、11月に発売されたキングレコードの女性歌手が歌うオムニバスアルバム「女性ポップス新黄金時代」の収録曲から「涙そうそう」を歌い、「島唄」「童神」など、石垣島の隣村出身というカナミネケイタロウと一緒に島の風を存分に送っていた。
[成底ゆう子 オフィシャルサイト]
http://narisokoyuko.com/
[成底ゆう子 キングレコード]
http://www.kingrecords.co.jp/cs/artist/artist.aspx?artist=40060