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江南市制60周年・市民文化会館開館30周年記念事業
八代亜紀ふれあいコンサート
ゲスト:ミレア・松川未樹 司会:水谷ひろし 会場:江南市民文化会館(愛知県江南市) 2014年8月31日
八代亜紀ふれあいコンサートが江南市民文化会館において、8月31日、場内満席で盛大に開催された。
盛大な拍手に迎えられて八代亜紀がステージに登場すると、まずは日本レコード大賞 最優秀歌唱賞受賞作品「愛の終着駅」を熱唱。
ふれあいコンサートは、八代亜紀と会場の皆さんとふれあえるコンサートにしたい。若い歌手に歌える場所を提供したいという趣旨で9年前にスタート。
八代亜紀は順風満帆の歌手と思われているかもしれないが、実は、デビュー当時なかなかレコードの売れない歌手であった。歌手を辞めようと思ったことも何度かあったとか。転機は読売テレビのオーディション番組『全日本歌謡選手権』に出場し、10週連続勝ち抜きでグランドチャンピオンに輝いたこと。その間、夜はレコードを一杯抱えてキャンペーン回り。その頃はCDではなくてレコードで、それが重たくて、抱えて運ぶ両手は豆だらけ。それでお客様から握手を求められると、乙女心に恥ずかしくて嫌だったとか。そんなときある方からおしぼりを渡され、「これで拭きな」と言ってくれた。感激でした。そして、驚くなかれ、キャンペーン回りで販売していた「なみだ恋」がなんと100万枚突破の大ヒット。以後発売する曲が次から次へと連続ヒットを記録し、女性演歌歌手として不動の地位を築いた。
また八代亜紀は、歌の合間を縫いながら趣味の絵画を描いている。それが中途半端ではない。なんと世界中から応募があっても入選が非常に難しいフランスのル・サロン展に5年連続入選し永久会員になっている実力派の画家でもある。
彼女は、「貴方につくします」、日本レコード大賞に輝いた「雨の慕情」など数々のヒット曲を熱唱して会場を大いに魅了した。
第2ステージは、ミリアと松川未樹オンステージ。
ミリアは、「貴重な経験を与えて下さった八代亜紀さんに感謝の気持ちで一杯です」、松川未樹は、「私は3才の頃から演歌歌手になることだけを目標にがんばってきたので、本当に今日は光栄です。」とそれぞれが挨拶。
八代亜紀は、「短い時間だけれど、二人とも大いにパフォーマンスを発揮しなさいよ」と激励。
ミリアは北海道出身。どうしても歌手になりたくて、音楽関係の知り合いもいない東京に単身で上京。しばらくして八代亜紀さんのプロダクションから声がかかり、八代亜紀の門下生に。
愛する人との約束、そして自分との約束という気持ちを込めて、オリジナル曲「promise」を熱唱。足が真っ直ぐに伸びている歌唱姿がとても印象的であった。
2曲目は自ら作詞・作曲の"be myself"を自らピアノ演奏しながら熱唱。この曲は、北海道から単身で上京したけれど、生活費を工面するためにアルバイトに追われ、「好きな歌ができなくて、どうしよう。このままじゃ歌手になれない。もっと自信をもって、もっと強くならなきゃ」と言い聞かせたけれど、どうしても心の中では不安が一杯。そういう中でいろいろな人に歌を聴いてもらったり、出逢ったり、触れあったりして、たとえ自分が強くなくても自信がなくても そういう自分を受け入れることが第一歩じゃないか。時間がかかるかもしれないけど、自分らしく歌っていこう」と思って作った作品。
ラストもピアノ弾き語り。恋して出逢って結ばれたけれど、いつかいろいろな形で終わりがくるかもしれない。でも彼と出逢えたこと、彼と同じ時間を過ごせたこと、そのことを大切したい。そんな女性の気持ちを綴った楽曲「小さな世界」を熱唱披露。
歌い終わると、「八代亜紀さんの大舞台に立たせていただけて、こんなにたくさんの皆さんに聴いていただけて本当にありがとうございます。」と感謝の意を表した。
司会の水谷ひろしさんが、「歌の世界でスターになるためには必ず先生がいる。自己流では無理。ミリアさんには八代亜紀さんが。松川未樹さんには作曲家の岡千秋先生から受けた薫陶と北島三郎さんの実の弟で、松原のぶえさんを紅白に送り出した大野先生がいる。大野先生は、歌手として、人間としてあるべき礼儀、作法を教育し、松川美樹さんに一生懸命心血を注いでいる。」と語った。
次に松川未樹がステージに登場して、デビュー5周年作「帰望」を熱唱。
「小さい頃から憧れていた八代亜紀さんのステージで唄わせていただけるということで、すごく感謝しています。与えられた貴重な時間を一生懸命唄わせていただきますので、どうぞよろしくお願い致します。」と挨拶。
2曲目は、蝶々が遥か千里の海を渡れるのだから私だって渡れる筈だと好きな人に向かって船をこぎだすという女性の気持を綴った「木の葉舟」
3曲目は、松川デビュー1周年曲の「燃えて恋歌」。
「この歌は、好きならいいじゃない。好きなら好きと素直に言ったらいいじゃない。歌詞がストレートなので、なんか松川未樹ってこういう性格なのかなと感じていただける曲じゃないかしら。わたしは3才の頃からおじいちゃんの影響で演歌が大好きになって、小さい頃から八代亜紀さんをテレビで見ていました。八代亜紀さんのように愛情に溢れた女性になれたらと思います。一生懸命がんばりますので、名前だけでも覚えて下さい。」と挨拶すると盛大な拍手が鳴り響く。
松川未樹の歌は、切ない歌ばかりだが、一曲だけ明るく元気になる歌がある。それは「おんなの祭り」。この曲をラストに、会場からソンヤー、ソンヤーの掛け声をもらいながら大熱唱。北島三郎の「まつり」を彷彿させる素晴らしい歌声に場内大歓喜で大いに盛り上がる。
司会の水谷ひろしさんが、「若いステージをお送りしました。改めて八代さんをお呼びしたいと思います」と八代亜紀を招くと、彼女は、「若さというのは、夢と希望に満ち溢れているので、諦めず、くじけずに。そしてお客様の笑顔と拍手を忘れないでがんばって下さい」と熱いエールを送った。
次に司会者から八代亜紀さん著『あなたに ありがとう』という自伝的エッセイが紹介された。
だれでも「ありがとう」と言われれば嬉しくなる。八代亜紀さんがご自身の経験から学ばれ実践されているのでしょう。「つらいときでもあんちくしょではなく、ありがとうと思うと、気が楽になる」と教えてくれた。確かにそうですね。改めて注意して聞くと、八代亜紀さんの会話の中には確かに「ありがとう」という言葉が多い。その本の特典についているCD『あなたに ありがとう』から1コーラス目だけお披露目歌唱して沸かせた。しんみりと、ありがとうという気持ちがしみじみと伝わってきた。
昨年ニューヨークに行ってきました。バシッと唄ったの。最後に舟唄をバシッと。ニューヨーカーは泣いたの。すごいでしょ。(2013年3月27日にニューヨークの名門ジャズクラニューヨークの名門ジャズクラブ・バードランドにてライブを開催。2013年ジャズチャート総合1位 ジャズアルバム総合1位に輝く)
最後に、ニューヨーカーが泣いた、鳥肌がたった「舟唄」を絶唱してヒートアップ。
盛大な拍手が送られる中、ステキなコンサートの幕が静かに下りた。