結里花(ゆりか)は、今年6月25日にフリーボードから全国発売となった新人歌手。三重大医学部を卒業し、平日は医師として、休日は歌手として活動している異色のアーティスト。
そんな彼女が、歌手として鈴鹿ハンターにキャンペーンに訪れた。新人歌手でありながらも場内は満席で、期待の高さがうかがい知れた。
場内袖から現れた彼女は、アラビアン・ナイトのようないでたちであったが、それは新曲「花火」をイメージしたドレスだと思われる。
ステージに立ち、ぺこりとお辞儀すると、すぐに「咲いた、咲いた」と歌い始める。最初の出だしでは迫力のほどはよくわからなかったが、「ズドーンとパパッとな ドドーンとパパッとせ」の乗りの良い軽快な歌声は威力があり強烈な迫力であった。上り調子のリズムに「これはいい!」と心が躍り、ダイナミックな振り付けは随所に見せどころがあり、見ているだけでも存分に楽しめる。
三重県と言えば花火。花火と言えば熊野。熊野の花火は先祖供養の意味合いがあったり、いろいろな意味で奥が深く、歴史も長い花火である。
結里花のボーカルトレーナーであるKAY氏とちあきなおみの代表曲「喝采」の作詞を手掛けた吉田旺氏のふたりが40年ぶりにコンビを組んで、熊野の花火を題材にした歌を作り、結里花に提供した。結里花(ゆりか)はもともとYURICAのローマ字名でジャズシンガーとして活動していたのを、演歌歌手としてデビューするにあたり、吉田旺氏が漢字で「結里花」と名付けた。「結里花」には字画判断で「二つのことをやってもいいけど両方がんばりなさいよ」という意味と「里を結ぶ花」と書くので、「いろいろなところで歌うことで里と里を結んでいきなさい」という意味あいがある事で、彼女にぴったりの名前。
次に「花火」のカップリング曲であり、熊野古道世界遺産登録10周年記念曲の「孔雀の舞」を熱唱。伸びのある力強い歌声に圧倒。「孔雀の舞」は古道に並ぶ杉の木立からの木漏れ日がまるで孔雀が尾羽を広げて舞っているように見えることから名付けられた曲。
何を隠そう。三重県で生まれ育った結里花は、熊野の花火は今年初めてのこと。今年は風が少なく雲が多く見にくかったにもかかわらず、それでも体の中にズドーンと響く衝撃花火に大感動。一緒に同行した作曲家のKAY氏もド迫力の花火の数々を目の当たりにして、「素晴らしい!」と驚嘆し、この花火を見てから作曲していれば、新曲「花火」はもう少し違ったメロディーになっていただろうと語ったとのこと。
結里花は、実際に見た熊野の花火を想い描きながら、歌っていたように思われる。「ズドーンとパパッとな ドドーンとパパッとせ」のフレーズの力強い歌声がそれを物語っている。歌い手も作詞家も作曲家も、どうしたらリスナーに実体験の感動を伝えることができるか、それは腕の見せ所である。
デビュー曲「花火」を全国に打ち上げて大ヒットできるよう皆さん、演歌大好きな歌姫、「結里花」をぜひ応援して下さい!