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甲斐ゆたか新曲「白老/羅臼の酒場」キャンペーン
2014年11月26日(水)   於)西春パルマルシェ(愛知県)  協力:文化堂楽器店
     甲斐ゆたか 新曲「白老/羅臼の酒場」キャンペーンが2014年11月26日、西春パルマルシェで行われた。
 甲斐ゆたかは、宮崎県高千穂町で生まれ長崎で育った。長崎は炭鉱の町で、当時中学生だった頃、ハンマーで炭鉱を掘る生活を送っていたが、魚釣りをしたり、凧を揚げたり、コマを回したりして遊んだそうだ。テレビはプロレスの力道山やひょっこりひょうたん島が人気を集めていた。歌謡番組では男性歌手では、西郷輝彦、舟木一夫、橋幸夫の御三家が、女性では美空ひばり・江利チエミ・雪村いづみの三人娘が大人気の世の中。甲斐ゆたかが中学2年のときに覚えた曲は、一節太郎の「浪曲子守歌」で、ランドセルを背負って川辺を歩きながら、この歌をよく歌っていた。それを見た先生が「そんなに歌が好きなら生徒の前で歌ったらどうか」と勧められて、「浪曲子守歌」を生徒の前で歌った。今でも当時の情景が走馬灯のように目に浮かんでくる。15才の頃、歌手を目指して長崎から福岡へ船で渡り、東京新宿の某有名作曲家の門を叩いた。デビューすることはできなかったが、夢を追い続けて追い続けて40年経った57才でやっと念願のメジャーデビューを果たした。現在は自分の曲をより多くの方々に広めたく全国を回っている。デビュー曲は、「赤い終着駅」で、発売から3年たった現在でもカラオケファンに根強い支持がある。
 キャンペーンは生演奏で行われ、甲斐ゆたかがバンドメンバーを一人ずつ紹介。キーボード担当は坂野京子さん。彼女は、愛知県東海市の生まれで、幼い頃からピアノの先生になりたい夢を抱いていた。18年間務めたヤマハのピアノ講師を辞めて現在一緒に全国を回っている。  コーラス担当は石濱由美子さん。名古屋錦のクラブで長く歌っていたが、同じく現在一緒に全国を回っている。
 サックス担当は伊藤海津音(いとう みつね)さんで、三重県桑名市の生まれ。彼女も同じく一緒に行動を共にしている。
 甲斐ゆたかは、作詞も作曲も手がけており、オリジナル曲は全て彼が作詞。彼の青春は今も心の中に脈々と生き続け、今回仕上がった新曲は、彼の青春から生まれたものである。
   「白老」は都志見 隆氏が作曲を手がけ、イントロは美空ひばりさんの「みだれ髪」にどことなく似ている。イントネーションのちょっとした違いで白老のメロディーになったり、みだれ髪になったりするところで、似ているのはその1カ所のみ。歌いやすいと好評で、北海道から九州まで全国20のラジオ局でこの歌が取り上げられた。
 タイトルの「白老」は、彼のイメージでつけられたが、あとから北海道に白老町(しらおいちょう)があって、中国古来から伝わる目出度い言葉であることを知って驚いたと教えてくれた。 中国では、成人式、結婚式、目出度い日に「白老」と書いた紙を進呈すると、受け取ったその人は長生きするとのこと。一人の女性を胸に抱き、人生を重ねて重ねて老いてなお朗々と生きる命の愛しさ、わびしさを歌いあげている。
   「羅臼の酒場」は下村耕史氏が作曲し、舞台は北海道知床羅臼町。流氷がやってきてシベリアおろしが吹く過酷な地域で、冬になると仕事がなくなるので、夫は出稼ぎに出かける。残った妻は、家庭を守るためにやむなく夜の商売につく。女が酒場で生きて糧を乞う。自らの運命を受け入れた女の切なさを歌っている。
   甲斐ゆたかはデビュー曲からセカンドシングル「あんたの磯部」、最新曲「白老」と「羅臼の酒場」を熱唱。
   披露してくれた甲斐ゆたかの作品はどれも悲しさや恋しさで、胸がしめつけられるように心にぐっと沁みた。高音域のクリアな声質は、しんみりとした気持ちをさらに助長し、歌い終わったあとも、いつまでも心に余韻がじんわりと伝わる。命が吹き込まれている歌とは本当に感慨深いものである。
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